「加給年金って、配偶者が65歳になるまでもらえるんですよね?」
そう思っている方は、実はとても多いのではないでしょうか。
ところが先日、知人との雑談の中で「妻が63歳で特別支給の老齢厚生年を受け取り始めたら、夫の加給年金が止まってしまった」というお話がありました。
「65歳より前でも止まることがあるの?」と驚かれる方も多いと思います。
実は私自身も、その場でうろ覚えな部分があり、あらためて制度を調べ直すことになりました。
年金制度はとても細かく、「知っているつもり」が一番危険です。
今回は、加給年金と特別支給の老齢厚生年金の関係について、わかりやすく整理してみたいと思います。
きっかけは、知人との雑談でした
先日、加給年金を受給していた知人との雑談でこんなお話がありました。
「年下の妻が特別支給の老齢厚生年金を受け取るようになったら、加給年金が止まってしまったんです。社労士さんだったら知っていましたよね?」
正直に申し上げると、その場では私も知識があいまいで、後ほど制度をあらためて確認することになりました。
「知っているつもり」でいた自分を少し反省しつつ、同じ疑問を持つ方にも役立てていただけたら、と思い記事にまとめました。
そもそも加給年金とは?
加給年金とは、厚生年金を受給する人に、扶養している配偶者や子どもがいる場合に上乗せされる加算のことです。
イメージとしては、「年金版の家族手当」に近い制度です。
そのため、配偶者自身に一定の年金受給権が発生すると、「扶養としての加算の必要性が薄れる」という考え方から、加給年金が停止される仕組みになっています。
特別支給の老齢厚生年金は、厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳へ引き上げられたことに伴う経過措置で、一定の要件(厚生年金への加入1年以上など)を満たした男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前に生まれた方を対象に、生年月日に応じて60歳〜64歳の間から支給される特別の厚生老齢年金です。なお、65歳になると本来の老齢厚生年金へと切り替わります。
「65歳まで出る」は思い込みかもしれません
加給年金について、多くの方が次のように理解されています。
「配偶者が65歳になるまで支給される」
これは半分正しいのですが、実はそれより前に止まるケースがあります。
65歳前でも、配偶者が”特別支給の老齢厚生年金”を受給できるようになると、加給年金が停止される場合があります。
「特別支給の老齢厚生年金は、65歳からの年金とは別の話」と思っている方が多く、ここが非常に誤解されやすいポイントです。
加給年金が停止されるしくみ(例)
具体的には、次のような流れで停止が起こります。
夫:加給年金を受給中
↓
妻が63歳で「特別支給の老齢厚生年金」の受給を開始
↓
夫の加給年金が停止
↓
妻が65歳になり、通常の老齢年金へ移行
「妻がまだ63歳なのに、なぜ止まるの?」と感じるかもしれませんが、制度上は配偶者自身に厚生年金の受給権が発生した時点で、扶養的な加算の意味合いが薄れると判断されるためです。
※ 詳しくは日本年金機構の公式ページもご参照ください。
🔗 加給年金に関するQ&A(日本年金機構)
年金受給の内容は人によってさまざま
実際には、配偶者が特別支給の老齢厚生年金を受給するようになっても、その金額が加給年金の分をカバーしきれないケースもあります。
今回の知人の場合は、おそらく配偶者の方の厚生年金の被保険者期間が20年に達したことによる支給停止ではないかと思われます。
令和4年4月からのルール改正にもご注意を
さらに、令和4年4月以降は制度が改正され、実際に特別支給の老齢厚生年金を受け取っていなくても、受け取る「権利」が発生した時点で、加給年金は支給停止となるように変わっています(経過措置あり)。
「まだ手続きしていないから大丈夫」と思っていても、気づかないうちに停止の対象になっている可能性がある点には、注意が必要です。
※ 詳しくは日本年金機構の公式ページもご参照ください。
🔗 加給年金・振替加算について(日本年金機構)
年金請求書が届いたら、まず確認を
年金制度は非常に複雑で、対象となる方の状況によってさまざまなケースが考えられます。
年金請求書が届いたとき、そのまま郵送で申請してしまう前に、お近くの年金事務所で一度ご確認されることをおすすめします。
ひと手間かかりますが、後から「知らなかった」とならないためにも、事前の確認がとても大切です。
「知っているつもり」が一番危ない
年金制度は、ちゃんと勉強している方でも思い込みが生じやすい複雑さがあります。
私自身、今回の相談をきっかけにあらためて確認することで、知識が整理されました。
社労士試験で学んだことがベースにあっても、実際の相談事例や制度の細部に触れることで、はじめて「本当に理解した」と感じられることがあります。学び続けることの大切さを、改めて感じました。
まとめ:実際のケースは年金事務所への確認を
今回のポイントを整理します。
- 加給年金は「配偶者が65歳になるまで」だけでなく、65歳前に特別支給の老齢厚生年金を受給し始めた時点でも停止される場合がある
- 停止の要件は、配偶者の生年月日・厚生年金の加入期間などによって異なる
- 「自分のケースはどうなるか」は、年金事務所への確認が安心
年金制度は、思い込みで理解していると思わぬ誤解につながることがあります。今後も、実際の疑問や勘違いしやすいポイントをわかりやすく整理してお伝えしていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
現在、開業をめざして、都道府県社労士会や全国社労士会のweb研修、所属支部の勉強会に参加しながら、日々研鑽に努めています。
これからの人生をどのように充実させていこうかと考えておられる中高年の方々や、社労士、その他の様々な資格取得をめざして勉強している方に少しでも参考となる、元気になる、情報を発信していきたいと考えています。
人生はまだまだこれからです。一緒に楽しみながら、頑張っていきましょう〜♪
