令和8年4月「在職年金制度」改正で何が変わる?
リード
令和8年(2026年)4月から、在職年金制度が改正されます。
今回の改正では、働き方に中立でライフスタイルの多様性等を踏まえた制度を構築するとともに、高齢期における生活の安定及び所得再分配機能強化を図るための公的年金制度のさまざまな見直しが行われます。
その中で、まず、私が注目したのが「在職年金制度が改正」です。
シニア世代の「働きながら年金を受け取る」仕組みに大きく関わる今回の見直し。
支給停止の基準額引き上げは、私たちの働き方や老後設計にどのような影響を与えるのでしょうか。今回の制度のポイントと、その背景をできるだけわかりやすく整理します。
在職年金制度とは?
「在職年金制度」とは、働きながら老齢厚生年金を受け取る場合に適用される仕組みです。
毎月の賃金(賞与の1/12を含む)と老齢厚生年金の合計額が一定の基準額を超えると、
超えた額の2分の1に相当する老齢厚生年金が支給停止となります。
※なお、老齢基礎年金は調整の対象にはなりません。
支給停止基準額が「51万円 → 65万円」へ
令和7年(2025年)度の支給停止基準額は月51万円でした。
それが令和8年(2026年)度からは、月65万円へ引き上げられます。
ここ数年、この基準額は段階的に引き上げられてきました。
その背景には、以下のような政策的な意図があると考えられます。
- シニア世代の「働き控え」を防ぐこと
- できるだけ長く社会保障を支える側として活躍してもらうこと
改正の背景にある日本の現状
日本の人口は平成20年(2008年)をピークに減少が続いています。
令和5年(2023年)時点で、**65歳以上の人口割合は29.1%**に達しています。
一方で、15~64歳の生産年齢人口は平成7年(1995年)をピークに減少。
労働力の確保は、日本社会全体の大きな課題です。
厚生労働省の資料によると、令和4年(2022年)度末時点で約16%の人が在職年金の支給停止対象でした。
今回の基準額引き上げにより、この割合は今後減少していくと考えられます。
働き続けることの経済的メリット
シニア世代にとっても、働き続けることには現実的な意味があります。
- 年金支給開始年齢の引き上げにより、収入確保が必要
- 現役並みに働けなくても、一定の収入を得られる
- 厚生年金加入が続けば、将来の年金額が増える
特に注目したいのが「在職定時改定」です。
厚生年金に加入しながら働くと、毎年9月1日時点で年金額が再計算され、増額されます。
加入期間が延びることで、将来の年金額に反映されるのです。
働くことは「生きがい」にもつながる
働き続けるメリットは、お金だけではありません。
公益財団法人長寿科学振興財団が運営する「健康長寿ネット」では、内閣府の平成29年(2017年)度「高齢者の健康に関する調査」をもとに、高齢者の健康意識について紹介しています。

全国の55歳以上の男女3,000人を対象にした調査では、次のような結果が示されています。
- 仕事に就いている人:約4割
- 社会活動を行っている人:約3割
- 「生きがいを感じている」人:85.6%
また、健康状態が良い人ほど、生きがいを感じている割合が高いという傾向もあります。
働くことや社会とのつながりが、心身の健康に良い影響を与えていることがうかがえます。
私自身の実感として
私自身も働き続けていますが、社会とのつながりがあることで、日々に張り合いが生まれ、元気に過ごせていると感じます。
認知症予防に関する研究でも、社会参加や就労が良い影響を与える可能性が示されています。
もちろん、
- 定年後も働き続ける人
- きっぱり退職し、やりたかったことに挑戦する人
どちらも素晴らしい選択です。
大切なのは「自分で選ぶ」ことだと思います。
制度改正を“自分ごと”として考える
年金制度の改正は、シニア世代の生活に直結します。
「もっと早く知っていれば、違う選択ができたかもしれない」
そう思うことがないように、できるだけ情報に触れる機会を増やしていきたいものです。
制度は変わります。
社会も変わります。
だからこそ、これからの人生をどう生きるかを、自分の意思で考えていくことが大切なのではないでしょうか。
過去に縛られず、これからを後悔しない生き方を。
年金改正をきっかけに、改めて自分の働き方・生き方を見つめ直してみませんか。
| 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。現在、開業・勤務以外、その他社労士として、都道府県社労士会や全国社労士会のweb研修、所属支部の勉強会に参加しながら、開業することをめざして、日々研鑽に努めています。これから社労士やその他の様々な資格取得をめざして勉強している方や、これからの人生をどのように充実させていこうかと考えておられる中高年の方々に少しでも参考となる、元気になる、情報を発信していきたいと考えていますので、どうぞ、よろしくお願いします!人生はまだまだこれからです。一緒に楽しみながら、頑張っていきましょう〜♪ |
