社労士試験合格から登録まで
2024年に社労士(社会保険労務士。以下、社労士と記載)試験に合格してから、社労士登録に至るまでどのような手続きが必要であったのか、まるっとまとめてみました。
私は人事・労務の実務経験がなかったため、全国社会保険労務士会のホームページに掲載されている指定事務講習の受講から始まり、登録手続き、社会保険労務士会への入会まで多くのステップを踏みました。これから社労士登録を目指す方の不安が少しでも軽減できるように、私が経験した流れをまとめてご紹介します。
特に、社労士登録に必要な実務経験がなく、指定事務講習を受講される予定の方の参考になれば幸いです。
本文
指定実務講習の受講(2025年2〜9月)
私は長年市役所勤務をしてきましたが、人事・労務の実務経験がなかったため、指定実務講習を受講しました。費用は 77,000円(税込)。
カリキュラムは以下のような流れでした:
- 2〜5月:通信指導課程
- 7〜9月:eラーニング講習
登録のための2年の実務経験については、「社会保険労務士法施行規則第1条の2に定められている労働基準法や雇用保険法、健康保険法などの労働社会保険諸法令に基づく事務」とあります。
具体的には
- 雇用保険、健康保険、厚生年金保険の被保険者資格取得届・喪失届
- 健康保険、厚生年金保険の被保険者報酬月額算定基礎届・月額変更届
- 雇用保険被保険者離職証明書
- 労働保険の概算・確定保険料の申告・納付
- 就業規則(変更)届
- 36協定届
- 労働者名簿 など
ご自分の勤務実態で該当する場合もありますので、直接、全国社会保険労務士会にお問い合わせされることをお勧めします。実務経験として認められると、指定事務講習の期間と受講料がまるっと不要になります。
私の場合、合格から実務指定講習を受講するまでの期間、じっと待っているだけでしたのでこれでいいのかなと、少し不安でした。
そんな時に、何でも相談できる知り合いの社労士さんがいたら助かるだろうなあと思いました。
それでも、全国社会保険労務士会から指定事務講習の書類が送られてくると、受講案内やテキスト等を確認しながら順番に進めれば無理なく修了できます。
また、通信指導課程専用のお問い合わせ窓口も設置されているので、安心です。
そして、何より 全て自宅で受講できるのも大きなメリットでした。自分のペースで進められ、期間内でしたら、繰り返し受講できます。
まず、前半の通信指導課程は、送付される教材をもとに各種届出・申請手続きを習得するため添削用レポートを作成し、それを郵便で送付し、添削指導を受けます。期限内に添削指導を受けて理解度についての確認を受ける必要がありますが、現役社労士である講師から丁寧なアドバイスを受け、添削用レポートを再提出することで、完了することができます。
この添削指導で重要な点は、合格、不合格でなくて、実務に必要な社労士業務の理解度の補填を行ってくれていることです。社労士として現場で働くことができる力を育成してしてくれている点が役立ちました。
後半のeラーニング講習は、講習科目毎に講師である現役社労士から実務を通して参考となる講義を受講します。現役社労士だからわかる注意点などもお話しいただいて、非常に参考になりました。
講義の最後にはオンラインで各科目(試験科目と同じ全8科目)ごとの確認試験があり、一定以上の正解で修了です。
そして、全ての科目に合格すると即時に修了証が発行されます。
社労士登録申請の手続き
まず、初めに都道府県社会保険労務士への入会説明会への参加の申請しました。
すると、都道府県社会保険労務士から入会説明会と新規入会に関する関係書類提出の案内が送られてきます。
手続きについての説明のとおり、必要な書類を指定された期限内に送付いたします。
合わせて、全国社会保険労務士会への登録が必要で、こちらはオンラインで完結できました。
この時に合格証書のコピーと事務従事期間証明書又は事務指定講習修了証(上記の指定事務講習の終了時に発行された修了証)のコピーを添付します。
登録費用の内訳(私の場合)
全国社会保険労務士会へ納付
- 登録免許税:30,000円
- 登録手数料:30,000円
上記納付について、マイナンバーカードをお持ちの場合はマイナポータルで手続きができます。
都道府県社会保険労務士会へ諸経費の振込(期限内)
- 入会金:100,000円(勤務等登録の私の場合)
- 年会費:42,000円(入会時期により月割分)
そして、都道府県社労士会が開催する入会説明会へ出席します。
入会説明会では会則等の説明、社労士としての倫理や会での活動や研修等のサポートについての説明がありました。
そして、提出書類等に不備がなければ、その翌月から正式に「社会保険労務士」と名乗れるようになります。
入会後にできること
都道府県社会保険労務士会に登録すると、活動の幅が一気に広がります。
- 会のホームページで 研修情報 を確認できる
- 研修アーカイブの視聴 が可能
- 各支部で 勉強会 が開催され、先輩社労士の方との交流の機会が増える
私もこれから支部活動に本格的に参加し、学びながら皆さまのお役に立てる情報を発信していきたいと思っています。
参考に全国社会保険労務士会のホームページのリンクを貼り付けておきます。
お問い合わせ先(事務指定講習)
全国社会保険労務士会連合会 業務部 研修・社会貢献課
まとめ文
2024年の社労士試験合格から実務講習、登録、入会までの約1年にわたる流れをご紹介しました。
実務経験がなくても、指定実務講習やオンライン等での手続きによって無理なく社労士登録することができます。登録後は研修や交流の機会も多く、学び続けられる環境が整っています。
これから社労士資格を取得したいと考えている方の少しでも参考にしていただけると嬉しいです。
私自身も社労士としての活動を広げ、「ほんわかと役に立つ情報」を発信できるよう、日々学び続けていきます。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

